同じ日本国内でも緯度によって勢力が全然違う台風。
沖縄在住35年以上、現在、関東に在住、帰省する沖縄。
だからこそ、気が付いた沖縄を紹介したい!!
日本国内の観光地としても有名な沖縄。
国内外から多くの観光客が訪れる場所、そして、国内でも台風が接近しやすい場所としても有名です。
楽しむための旅行、台風が旅行日程に重なると日程が一変してしまうほど強烈な台風。
この記事では、前もって情報として知っていて欲しい、沖縄に接近する台風の特徴や旅行に適した時期などをお伝えします。
沖縄旅行が安全第一で、楽しく過ごせるように参考にしてみて下さい。
日本の観光地として知られている沖縄
温暖な気候で、青い空と白い砂浜、青く透明度が高い海が印象的な沖縄。
国内外から多くの観光客が訪れる魅力あふれる沖縄。
日本の観光地の一つとして知られている沖縄は、日本国内で唯一、第二次世界大戦で地上戦を経験した土地で、1972年(昭和47年)に本土復帰した歴史を持っています。
日本列島の南西端に位置し面積は2,281平方キロメートルで、日本の都道府県では小さい順に香川県、大阪府、東京都に次いで第4位。
沖縄県の東西約1,000km、南北約400kmの広大な海域に点在する160の島々のうち、平成30年1月現在、有人島は47島、無人島は113島あります。
また、160の島のうち、沖縄本島と沖縄本島と橋等で連結されている11島を除く、148の島を「離島」と位置づけています。
沖縄県の島しょの概況
区分 | 沖縄本島 | 沖縄本島と橋等で連結されている島 | 離島 | 合計 |
有人島 | 1 | 9 | 37 | 47 |
無人島 | 0 | 2 | 111 | 113 |
計 | 1 | 11 | 148 | 160 |
島しょ:面積が1ヘクタール(100m×100m)
(出典:沖縄県「沖縄県の島しょの状況」)
沖縄の台風発生時期と特徴
台風が発生するのは7~9月がピークで、9月に発生したものが、10月の前半にかかったり、数は少なくなりますが、10月に沖縄へ接近するものもあります。
まさに台風接近のピーク時期が沖縄の夏を最高に体感できる時期に重なります。沖縄に接近する台風は、勢力が強い状態で接近してくることが多いので、暴風や降水量が本土に接近してきた状態とかなり違う印象があります。
そして、下表を見る限り、2010年~2020年は
台風接近の多い8月でも平均すると月に2.27回で多くても3回弱になります。
そして、12月~4月の間は台風が接近していません。
沖縄台風の接近発生数(2012年~2020年)
年 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 年間 |
2012 | 3 | 2 | 4 | 2 | 1 | 11 | ||
2013 | 1 | 1 | 2 | 1 | 4 | 9 | ||
2014 | 2 | 3 | 2 | 2 | 2 | 10 | ||
2015 | 1 | 2 | 2 | 1 | 6 | |||
2016 | 1 | 1 | 4 | 1 | 7 | |||
2017 | 3 | 1 | 1 | 2 | 7 | |||
2018 | 2 | 3 | 4 | 2 | 1 | 1 | 13 | |
2019 | 1 | 1 | 3 | 2 | 1 | 7 | ||
2020 | 4 | 2 | 1 | 6 |
※沖縄地方に接近した台風の定義:台風の中心が沖縄県のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合。(注)接近は2か月にまたがる場合があり、各月の接近数の合計と年間の接近数とは必ずしも一致しません。
ちなみに上表以前の1951年~2011年の61年間で沖縄への12月〜4月の台風接近を調べてみました。
1月~3月:0回. 4月:5回. 12月:2回
過去のデータからもわかるように12月〜4月は、台風の影響を受けづらい時期になります。
(出典:気象庁「沖縄地方への接近数」)
台風のコース
台風が夏に接近することが多い理由は、夏場に台風の発生する緯度が高くなるからです。
下図に記されている台風のコースは、太平洋高気圧のまわりをまわって日本に向かって北上する台風が多くなるので、初夏、沖縄は通過地点に位置するため、その分接近度が高くなります。
6月~9月:日本に影響のある台風が接近してくる時期
7月・8月:太平洋高気圧が強く、上空の風が弱く不安定な経路をとることが多い時期
7月~9月:日本本土に上陸するのが多い時期
9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。このため日本に大きな災害をもたらす台風の多くは9月にやって来るのです。
(出典:日本気象協会「台風のコース」)
台風の大きさと強さ
気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として、下表のように風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現します。 「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速で区分しています。
さらに、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。
強さの階級分け
階級 | 最大風速 |
強い | 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満 |
非常に強い | 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満 |
猛烈な | 54m/s(105ノット)以上 |
大きさの階級分け
階級 | 風速15m/s以上の半径 |
---|---|
大型(大きい) | 500km以上~800km未満 |
超大型(非常に大きい) | 800km以上 |
大型、超大型の台風それぞれの大きさは、日本列島の大きさと比較すると以下のようになります。
台風に関する情報の中では台風の大きさと強さを組み合わせて、「大型で強い台風」のように呼びます。ただし、強風域の半径が500km未満の場合には大きさを表現せず、最大風速が33m/s未満の場合には強さを表現しません。
例えば「強い台風」と発表している場合、その台風は、強風域の半径が500km未満で、中心付近の最大風速は33~43m/sで暴風域を伴っていることを表します。なお、台風情報では暴風域を円形で示します。この円内は暴風がいつ吹いてもおかしくない範囲です。
(出典:気象庁「台風の大きさと強さ」)
台風の目(中心気圧)とは?
台風情報でよく耳にする「台風の目」とは中心気圧のことで、台風の最も気圧が低い場所です。
ヘクトパスカル(hPa):台風の中心気圧を表す単位
水も空気も低いところへ流れるので、中心気圧が低ければ低いほど、その低気圧のところに周りから強風が押し寄せ、台風の回転も早くなります。
中心気圧の基準として
通常1気圧:約1013hPa に対しての気圧が低くなると、台風の勢力が大きくなります。
台風の勢力 | 中心気圧 |
弱い | 990hpa以上 |
並み | 960〜989hpa |
強い | 930〜959hpa |
猛烈 | 900hpa |
沖縄旅行を計画したのに台風が接近したら、諦めないといけない?
沖縄の台風といっても、沖縄のどの地域に接近しているかで全然状況が異なります。
沖縄本島に接近しているのか?宮古島や石垣島方面などの離島に接近しているのか?
那覇空港のある沖縄県那覇市と石垣空港のある石垣島までは約400Kmほど離れています。
本土でのイメージだと、東京から直線距離で約400Kmほど離れているのは、北向きだと岩手県、西向きだと兵庫県あたりです。
なので、台風の経路がどの方面なのかによっても状況が全然変わってきます。
実際、沖縄の那覇市に住んでいた時に石垣方面へ台風が進んでいる時、本島は晴天で、全然影響がない時もありましたし、その逆もありました。
なので、台風がどの方向へ向かっているのかを台風情報などをもとに冷静に判断していきましょう!
台風慣れしている地域だからこそ
沖縄は、人・土地・環境共に台風に慣れており、備えや対策が施されている。建物も鉄筋コンクリート造が多く、木造建の家屋でも屋根瓦が漆喰で頑丈に固定されていたりと台風の影響を受けやすい位置にある沖縄だからこその建築でも工夫などが施されています。
沖縄の人々の台風対策に対する意識もかなり高めで、台風が接近してくる数日前に飛びそうなもの、壊れそうなものを固定や補強、建物の中に移動させたりします。
写真:沖縄屋根瓦
写真:住宅 鉄筋コンクリート造
(写真引用:photo AC)
気温と降水量、梅雨情報の確認
台風も気になるけど、気温と降水量、梅雨情報も確認してみましょう!!
気温
降水量
沖縄の過去の梅雨入り梅雨明け
年 | 入り | 明け | 梅雨の時期の降水量の平年比(地域平均値)(%) |
---|---|---|---|
2020年 | 5月16日ごろ | 6月12日ごろ | 168% |
2019年 | 5月16日ごろ | 7月10日ごろ | 131% |
2018年 | 6月1日ごろ | 6月23日ごろ | 75% |
2017年 | 5月13日ごろ | 6月22日ごろ | 110% |
2016年 | 5月16日ごろ | 6月16日ごろ | 75% |
気象庁と日本気象協会のデータを確認すると、
梅雨時期:2020年5月・6月(梅雨入り2020年5月16日頃 梅雨明け6月12日頃)
台風時期:2020年8月(台風4つ接近)・9月(台風2つ接近)
やはり梅雨時期と台風時期は降水量が増えることがわかります。
気温に関しては、通年高めではありますが、6月~10月にかけて真夏のような暑さです。
グラフでは35度を超える猛暑日には達していませんが、日差しや紫外線が強いので、直射日光や照り返しはとてもキツイです。
(出典:気象庁「過去の気象データ検索 2020年」)
(出典:日本気象協会「沖縄の過去の梅雨入り梅雨明け」)
紫外線を確認してみましょう!!
日本でもところかわれば、環境がガラリと変わります。
2020年の日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフを確認してみましょう。
※各地点の日最大UVインデックスを月別に平均したグラフです。
札幌、東京、沖縄の3箇所の紫外線指数のグラフを確認してみると、一目瞭然!! 沖縄の紫外線指数はかなり高めです。札幌や東京の7月頃と沖縄の3月頃が同じぐらいです。
よく「5月ぐらいから日焼け対策始めましましょう」という話を耳にすることがありますが、沖縄では、3月ぐらいから日焼け対策は必須です。普通に日焼けします。
(出典:気象庁「日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ」)
沖縄の旅行おすすめ時期は?
天候に関しては、本当に運次第なので、夏場でも台風が必ず接近するわけでもなく、その年によって発生時期がずれたりしますので、あまり悩まず沖縄を満喫してほしいです。
青い空、白い雲、とても透明度の高い綺麗な青い海を感じるのは、夏場の沖縄!!
わたしは暑いのは苦手ですが、夏の綺麗な景色がとても好きなので、いつの日か1度はその景色や体感を皆さんにも味わってほしいです。
ですが、台風時期は降水量も多くなるので、台風シーズンを避けたい場合
台風の影響を受けづらい時期
・10月下旬〜4月:南国の沖縄らしさを満喫できるのは夏場になりますが、本土と比べると沖縄は暖かく、過ごしやすい時期になりますので、おすすめです。さすがに1月、2月は沖縄でも気温が下がり、風が強いので、体感温度は下がります。半袖ではなく、体温調節のきく服装をおすすめします。
・5月〜6月:梅雨が開ければ夏本番な時期でおすすめです。海のレジャーも楽しめる季節です。
わたし個人の沖縄台風体験談(一部例)
台風が来たら、基本、家でおとなしくしていますが、仕方なく、外で行動した際におこった出来事の体験談一部をご紹介します。
・勢力の強い台風は、暴風がすごいので、豪雨が真横から降ってくる。そして、それが顔や体にあたってかなり痛い。
・雨が滝のように凄すぎて、前方がほとんど見えない
・国道を車で通行中にどこからきたか不明なドラム缶が暴風にあおられ、もの凄い勢いでバウンドしながら転がり、車に向かってきたことがあります。幸い回避できたので、生きています。
・道路の信号待ちで、自動車のブレーキを思いっきり踏み、サイドブレーキを思いっきり引いているにもかかわらず、暴風に押されて車が前に2mほどじわじわと進んだ。(車間距離を長めに取るのは大事)
おわりに
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
同じ日本でも緯度によって、勢力が全く違う台風。
どこの地域でも環境、山や川、海、崖、建物の構造、他の建物が周囲にあるのかないのか等によって、危険度が変わってきます。どこの地域にお住まいでも台風や自然災害には十分に気をつけましょう!
そして、旅行を計画する際、リスクの少ない時期を選択するのもおすすめですし、もしも少しリスクのある時期を選択したとしても、リスクに備えた行動ができるように情報をしっかり入手して、旅行を楽しみましょう!!
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