沖縄出身のわたしは、よく知り合いから、
「沖縄そばとソーキそばの違いとは?」という質問をされます。
沖縄そばとソーキそばを見たことがない、食べたことがない人には違いがわからないのは自然なこと。
もちろん、沖縄でも本土の蕎麦粉使用のお蕎麦は食されていますが、今回は沖縄そばに少しでも興味を持ってくださった方や、沖縄旅行に興味のある方に少しでも知ってほしいので、説明しちゃいます。
沖縄そばとは? ソーキそばとは? どんなそば?
沖縄のソウルフード。
県内で1日に15万食以上消費される代表的な料理「沖縄そば」
個性的なそばで「沖縄そば」といっても蕎麦粉は全く使われておらず、材料は小麦粉・塩・かん水。一般的なダシは、豚骨やカツオ節を使用。地域によってさまざまなバリエーションがあります。
沖縄そばとソーキそばの違いは、簡単に説明すると、トッピングの違いです。
沖縄そばは、三枚肉がトッピングされたもの、ソーキそばはスペアリブがトッピングされたものです。
・沖縄そば:
基本的な沖縄そばで、三枚肉(甘辛く味付けした豚の角煮をスライスしたようなもの)をトッピングしたもの。
・ソーキそば:
沖縄そばのトッピングが、三枚肉ではなく、豚のあばら骨を同じく甘辛く味付けしたものを沖縄方言で「ソーキ」(スペアリブと同じもの)と呼びます。それをトッピングしたもの。
・沖縄そば・ソーキそばの具材の紹介
①しょうが:スープを引き締めるショウガ、紅しょうがを使用しているところが多いですが、お店によっては、針しょうがを提供しているところもあります。個人の好みで後乗せができるようにテーブルに備え付けているお店もあります。
②島ねぎ:薬味として欠かせない島ねぎ、お店によっては、太ねぎなどの場合もあります。香りを生かすために、切りたてを使うお店や別皿で提供するお店もあり、わけぎやあさつきが添えられることもあります。
③三枚肉orソーキ:丁寧に下処理された皮付き豚バラ肉や骨つきあばら肉を砂糖醤油で煮込んだ定番の具。主に県産豚が使われます。沖縄そばになくてはならない具。
④かまぼこ:沖縄のかまぼこといえば油で揚げたもの!地域によって様々な種類があります。そして油で揚げたかまぼこは、さつま揚げのルーツにもなっています。
⑤麺:材料はそば粉でなく小麦粉を使用。コシの強い歯ごたえ。そして、その太さは北に行くほど太くなります。麺の違いを味わうのも楽しみの一つ。細麺・中麺・太麺・丸麺。地域によって、お店によっては、特殊麺というものもあります。(ひじき、もずく、アーサ、ジャガイモ、長命草などが練り込んである)
⑥だし:主に豚とかつおだしが使われている。お店によっては、他の具材鶏や昆布、しいたけなどを加え、独自の味を出しているところもあります。風味が決め手。
⑦コーレーグース(コーレーグス):あと、忘れてはいけない調味料。島唐辛子を泡盛に漬け込んだ辛い液体調味料。こちらは、出来あがった沖縄そばに食べる時にお好みでかけて味付けします。辛いので、苦手な人はご注意ください。
スープや麺、トッピングに使用されている材料は似ていますが、
お店によって、スープの味わいや麺の種類が違ったりするので、沖縄そば店巡りをするだけでも楽しみは倍増しますよ♪
(イラスト:イラスト沖縄)
(出典:沖縄製麺協同組合)
本場沖縄そばの定義
どれか1つが欠けても沖縄そばとはよべない
- 沖縄県内で製造されたもの
- 手打式(風)もの
- 原料小麦粉 タンパク質11%以上 灰分0.42%以下
- 加水量 小麦粉重量に対し34%以上~36%以下
- かんすい ボーメ2度~4度(※1)
- 食塩 ボーメ5度~10度
- 熟成時間 30分以内
- めん線 めんの厚さ1.5~1.7ミリ切葉番手 薄刃10番~12番
- 手もみ 裁断されためん線は、ゆでる前に必ず手もみ(工程)を行う
- ゆで水のPH8~9
- ゆで時間 約2分以内で十分可食状態であること
- 仕上げ 油処理してあること
(※1)かんすいの濃度は「ボーメ度」が用いられています。 ボーメ度とはボーメの浮き秤(比重計)によって液の濃度を表示した度数です。 ボーメ比重計は純水(15℃)に入れた時に水面と一致する点を0ボーメ度とし、10%食塩水(15℃)に入れた時を10ボーメ度としてこの間を10等分し、この上下に同間隔で目盛りを刻んだもの。
(出典:沖縄製麺協同組合「本場沖縄そばの定義」)
沖縄そばの種類
意外と奥の深い沖縄そば。
沖縄そばと一言でいっても、トッピングやスープの違いによってさまざまな種類があります。
沖縄そばも、長い歴史の中で、地域性などからさまざまは変化を遂げてきました。
沖縄そばを身近に感じて頂き、楽しんでもらうために代表的な沖縄そばをいくつか紹介します!
いろんな種類がありますが、軟骨ソーキそば、てびちそばやゆし豆腐そば、そしてソーキそばも含めて、総じて「沖縄そば」とも呼びます。
沖縄そば
スタンダードな沖縄そば
三枚肉(豚バラ肉)は長時間煮込んだコラーゲンたっぷりの柔らかお肉になってます。
(写真:photo AC)
本ソーキそば
本ソーキ(骨付ソーキ肉)は、骨付きであるため沖縄の方言では「ソーキ骨(ブニ)」とも呼ばれています。時間煮込んだジューシーな柔らかお肉で、そのソーキ肉(骨付豚カルビ肉)がトッピングされたものがソーキそば、人気の1つです。
(写真:photo AC)
軟骨ソーキそば
その呼び名の通り、ソーキの骨の部分が軟骨で、余すことなく食せます。
プルプルとコリコリの食感がたまらない一品。
(写真:photo AC)
テビチそば
存在感バッチリな豚足がトッピングされたテビチ(沖縄の方言で豚足の意味)そば
コラーゲンたっぷりなので、お肌がぷりぷりになりますよ。
(写真:photo AC)
ゆし豆腐入りそば
ふわふわのおぼろ豆腐がトッピングされた、優しいお味のゆし豆腐入りそば。
(写真:photo AC)
アーサそば
普通の沖縄そばにアーサがトッピングされていたり、麺にアーサ(あおさ・一重草)を練りこみ、また、かまぼこにもアーサを練りこんだこだわりの沖縄そばを出すお店もあります。
(写真:識名そば公式)
中身そば
「中味」とは豚の内臓のこと。つまり中身汁はモツの汁物で、特に小腸や胃を具にしたそばです。具になる内臓の風味が除かれているので、どちらかと言えば鰹節出汁のスープで煮込まれたモツの歯ごたえや食感が楽しめます。琉球王朝時代から食されていたという、たっぷり煮込んだ中味(豚モツ他)を乗せた地元で人気のそばです。
(写真:photo AC)
各地のそば
宮古そば
見た目はシンプル、細くて平たいストレート麺で、具材は麺に覆われて隠れて見えないので、「あれ!具が無い」という会話が宮古そばを初めて見た人たちは必ずしてしまう。実は、わたしも初めて食べた時は、そう思いました(笑)。でも、最近は、具材を表面に乗せたスタイルで出すお店が増えているそうです。
(写真:photo AC)
八重山そば
麺は細くストレートな丸麺で、細切りの肉がトッピングされている八重山そば。だしの味は少し甘めな感じです。
(写真:photo AC)
おわりに
ここまで、読んで頂きましてありがとうございます。
わたしもよく沖縄そば屋さん巡りをしていましたが、お店によって、味わいが違うので、自分好みを探すのも楽しみの一つです。
沖縄旅行に行った際は、皆さんもぜひ沖縄そばを味わって下さいね!
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